AISAS(アイサス)は2005年に電通が提唱した消費者行動プロセスと呼ばれるものです。
”消費者行動プロセス”は、消費者行動モデルとか消費者購買プロセスなどともいわれたりします。
つまり、AISAS(アイサス)は、
消費者が商品やサービスを購入するときの行動プロセス
を表したものです。
AISAS(アイサス)は、以前ご紹介した「AISCEAS(アイセアス)」に比べるとだいぶシンプルなんですが、かえって消費者の購買プロセスをつかみやすいかなと思います。
というわけで今回は「【AISAS(アイサス)】電通が提唱したネット時代の購買プロセスを把握しておこう」についてお伝えします。
消費者の購買プロセスを理解しておくことは、例えば収益ブログやアフィリエイトなどにも参考になると思います。
興味があったらぜひ記事を読んでみてくださいね。
※この記事は約6分で読めます。
AISAS(アイサス)とは
AISAS(アイサス)は、冒頭でもお伝えした通り2005年に電通が提唱した消費者行動モデルになります。
消費者行動モデルとは、消費者購買行動を示した指標の一つでマーケティングなどに活用されています。
AISAS(アイサス)は、AIDA(アイダ)、AIDMA(アイダマ)と呼ばれる消費者行動モデルから誕生した消費者行動(購買)モデルになります。
●AISAS(アイサス)が表す購買行動
A:Attention(注意)
I:Interest(興味・関心)
S:Search(検索)
A:Action(行動)
S:Share(共有)
AISAS(アイサス)のベースAIDA(アイダ)
実は、AISAS(アイサス)はAIDA(アイダ)といわれる購買プロセスがベースになっています。
AIDA(アイダ)は、
A:Attention(注意)
I:Interest(興味・関心)
D:Desire(欲求)
A:Action(行動)
というプロセスからなる購買行動のモデルです。
AIDA(アイダ)は
消費者が商品、サービスを買うときの行動を4つのプロセスで表したもの
になります。
AIDA(アイダ)は、アメリカの広告とセールスのパイオニアといわれるセント・エルモ・ルイスによって提唱された消費者の購買プロセスを表したもの。
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このAIDA(アイダ)をネット時代に合わせて改良したのがAISAS(アイサス)になります。
※下で触れますが、厳密にはテレビ、雑誌のようなマスメディアから商品情報を得るのが主流の時代のAIDMA(アイダマ)という購買プロセスを経ています。
AIDA(アイダ)から派生したAIDMA(アイダマ)
AIDA(アイダ)から派生した購買プロセスにAIDMA(アイダマ)があります。
AIDMA(アイダマ)は、テレビの登場により変化した購買行動モデルを反映しています。
●AIDMA(アイダマ)の購買プロセス
- A:Attention(注意)
- I:Interest(関心)
- D:Desire(欲求)
- M:Memory(記憶)
- A:Action(行動)
テレビの普及によって、広告(コマーシャル)が繰り返し閲覧されるようになったため、それによって消費者が商品を”記憶”するというプロセスが追加されているのが特徴です。
商品の情報を得るのに、雑誌や新聞、ラジオ、テレビなどのマスメディアが主流だった時代では、AIDMA(アイダマ)のような購買プロセスは指標として非常に有効でした。
テレビ離れが進んでいるとはいえ、今でもまだこのプロセスは有効とはいえますね。
しかしインターネットの登場で、消費者の行動モデルは変化していきました。
AISAS(アイサス)は、そんなインターネット時代に合わせて考えられました。
AISAS(アイサス)はAIDMA(アイダマ)から発展した
AIDMA(アイダマ)はテレビ時代に合わせて、AIDA(アイダ)から派生しました。
AIDA(アイダ)、AIDMA(アイダマ)が提唱された当時はインターネットはありませんでした。
その後インターネットの登場で、消費者の購買行動プロセスが変化していきます。
それに合わせてAIDA(アイダ)、AIDMA(アイダマ)のような消費行動プロセスもネット時代に合わせたAISAS(アイサス)のように変えていく必要があったんですね。
AISAS(アイサス)は5つのプロセスで消費者行動を表している
AISAS(アイサス)は、以下の5つのプロセスで消費者の購買プロセスを表しています。
●AISAS(アイサス)が表す購買行動
A:Attention(注意)
I:Interest(興味・関心)
S:Search(検索)
A:Action(行動)
S:Share(共有)
AISAS(アイサス)は、インターネットの普及に合わせて改良されたので、
Search(検索)、Share(共有)
といったネット特有の行動が想定されています。
AIDMA(アイダマ)とAISAS(アイサス)の違い
テレビ、雑誌などから商品やサービスの情報を得る時代の購買行動と、インターネット時代の購買行動の大きな違いは、
インターネット時代では消費者が能動的に購買行動をしている
ということにつきます。
消費者が”検索”するようになった
それまでは消費者は、商品情報をテレビなどから受け取ってそれを購入するかどうかを判断していたのが、ネット時代では消費者が情報を”検索”するようになったんですね。
つまり、
テレビなどから商品情報を得て購入(AIDMA) → ネットで検索して能動的に購入(AISAS)
というように購買行動が変化してきたということです。
この能動的な購買行動を反映したのがAISAS(アイサス)という消費者購買プロセスということです。
購入後の”共有”
また、消費者は商品を購入した後にSNSなどで商品の感想を共有するようになりました。
検索においても、消費者は商品情報だけでなく、商品の評判や口コミを確認して購入するようになったんですね。
このAISAS(アイサス)には、この”検索”と”共有”というプロセスがあるというのがAIDMA(アイダマ)との大きな違いになります。
AISAS(アイサス)の活用方法
AISAS(アイサス)のような購買モデルが何の役に立つの、と思う方もいると思います。
一つは、
消費者が商品を購入するまでのプロセスを知っておくことで、そのプロセスに効果的に働きかけることができる
ということ。
もう一つは
商品、サービスが購入されない場合の問題点の発見しやすい
ということです。
AISAS(アイサス)を活用して購買プロセスを検証することによって、どこに問題があるか、どこを強化すればいいかなどが見えやすくなる、ということですね。
例えば、ブログでの収益化についてAISASの購買プロセスを当てはめてみます。
A:Attention(注意)
I:Interest(興味・関心)
S:Search(検索)
A:Action(行動)
S:Share(共有)
それぞれのプロセスにそって、自分のブログを検証していきます。
読者がどのプロセスで止まっているかで改善ポイントを探っていきます。
基本的には、このプロセスがうまく機能していれば、成果は出るはずです。
成果が出ないということは、このプロセスがどこかで滞っているということになります。
つまり、それぞれのプロセスをチェックすることで、改善ポイントがみえてくるということになります。
例)
A:Attention(注意) :読者の注意が引けているか
I:Interest(興味・関心) :読者の興味・関心が引けているか
S:Search(検索) :読者にブログ(の記事)が検索されているか
A:Action(行動) :訪問者がアクションを起こすように促されているか
S:Share(共有) :共有されるという前提で記事が作成されているか
「Share(共有)」は色々と考え方があるとは思いますが、訪問者がアクションを起こした後に情報を共有する可能性があるので、その前提で記事を作成する、つまり不正確なことやいい加減なことは書かない、といったところでしょうか。
各プロセスと照らして、弱い部分を改善して強くしていきます。
AISAS(アイサス)を詳細にしたAISCEAS(アイセアス)
AIDA(アイダ)、AIDMA(アイダマ)、AISAS(アイサス)ときてさらにAISCEAS(アイセアス)とくると、さすがにややこしくて嫌になってきたかもしれませんね。
AIDA(アイダ)を基にした購買モデルは実は様々なものがあります。
AISCEAS(アイセアス)は、AISAS(アイサス)をさらに詳細にした購買モデルです。
AISCEAS(アイセアス)も、インターネットを前提とした消費者行動プロセスになります。
以下の記事で解説しているので、興味があれば参考にしてみてくださいね。