Debian(デビアン)ってどんなOSなの?
という方もいるかもしれませんね。
DebianはLinuxディストリビューションの一つになります。
無償で使えて安定性も高いということで、VPSなどのサーバーOSとして気になっている方もいるかもしれません。
そこで今回は「Debian(デビアン)のおすすめポイントは? 初心者向けのLinux(リナックス)系のディストリビューション?」についてお伝えします。
DebianってどんなOSなの?という方は記事を読んでみてくださいね。
※この記事は約9分で読めます。
●Debian(デビアン)のメリット
- コストを抑えることができる
- 安定性が高い
- 日本語に対応している
- ネット上に情報が豊富
Debian(デビアン)とは
Debian(デビアン)※とは、Linux系のディストリビューションの一つになります。※Debian GNU/Linux(デビアン・グヌー・リナックス)とも呼ばれます。
Debian(デビアン)は、1993年にパデュー大学の学生のイアン・マードックによって創設されたDebian Project(デビアンプロジェクト)から公開されました。
※デビアンプロジェクトは世界中の有志の開発者・技術者の集まり(コミュニティ)になります。
デビアンは、ボランティアの技術者(いわゆる世界中の有志の開発者)によって開発や運営が行われているオープンソースのOSになります。
Fedora、Ubuntuのような他のオープンソースのOSのように、特定の企業による後援を受けていません。
デビアンの特徴
デビアンの一般的な特徴としては以下のようなことがあります。
●Debian(デビアン)の特徴
- 無償で利用できる
- 高機能のパッケージ管理「APT」を搭載
- 豊富なパッケージがある
- 独自のインストーラ
- 多くのアーキテクチャ(コンピュータシステムの構造、動作原理、実現方式などを表す)に対応している
- 公式サポート体制が充実している
- 多くの派生ディストリビューションがある
無償で利用できる
デビアンは、前述したようにオープンソースなので、無償で利用できるだけでなく、変更(改変)、配布についても自由に行うことが可能です。
高機能のパッケージ管理「APT」を搭載
パッケージとは実行プログラム、設定ファイル、ライブラリ、マニュアルなどを1つのファイルにまとめたものです。
Linuxディスとリビューションでは、ソフトウェアをパッケージという単位で配布しています。
このパッケージを管理する仕組みには主に以下の2つの形式があります。
- Debian形式:デビアンなどで採用
- RPM形式:RHELなどで採用
デビアンの場合は、Debian形式になりますが、パッケージ管理を提供する仕組みとしてAPTツールを使っているんですね。※ちなみにRPM形式の場合はYUMツールというものを使っています。
APT:Linuxでソフトウェアのインストールや管理などに使われるパッケージ管理システムの一つ。またそのシステムを操作するコマンドのこと。
YAM:LinuxのRedHat系ディストリビューションにおけるパッケージ管理ツールのこと。
これらのツールの主な機能としては
- ダウンロードサイトから最新パッケージのダウンロードやインストールを行う
- パッケージ間の依存関係を解消しながらパッケージのインストール、アップグレードなどを行う
ということになります。
パッケージ管理とは、パッケージがどこにどんなパッケージがインストールされているかや、パッケージ同士の依存関係や競合(ダブリ)などを確認、回避が容易になる仕組みのことになります。
パッケージの依存関係とは、
あるパッケージを利用するのに別のパッケージのファイルが必要になる場合など、パッケージの利用が別のパッケージのファイルに依存している関係をいいます。
APTツールを使用したパッケージ管理によって、この依存関係のチェックが容易になり、この依存関係を解決しながらパッケージのインストールやアンインストールなどが行えるということになります。
また、パッケージ間の競合とは、
あるパッケージによってインストールされるファイルが、ずでに別のパッケージによってインストールされている場合のファイルの競合(ダブリ)のことをいいます。
豊富なパッケージがある
デビアンでは、64000を超えるソフトウェアパッケージを利用することができます。
以下のページでは、Debianのパッケージアーカイブで入手可能なパッケージを検索することができます。
様々なコンピュータで動作する
デビアンは、一般的なWindowsパソコンをはじめ、Unix系サーバー・Mac・NAS・ゲーム機など様々な形態で使用することができます。
※NAS:ネットワークに接続されたストレージ(ハードディスク)のこと。
つまり、多くのアーキテクチャ(コンピュータシステムの構造、動作原理、実現方式などを表す)に対応しているということになります。
情報が多くサポートも充実している
日本語のメーリングリストが公式に運営されているので、困っていることなどを質問したりすることができます。
Debian JP Projectが運営しているメーリングリスト一覧
またデビアンに関する書籍や雑誌記事なども多くあります。
情報が多いので、トラブルや疑問の解消がしやすいといわれています。
デビアンは、2年周期でメジャーバージョンが上がっていくとされています。
サポート期間については、メジャーバージョンがリリースされてから3年とされていますが、その後はLTS(Long team support)が2年サポートするとされています。
つまりリリース後5年程度のサポート期間があるということになります。
多くの派生ディストリビューションがある
デビアンには多くの派生ディストリビューションがあります。
●デビアンの派生ディストリビューション
- Ubuntu
- NNLinux
- Kona Linux Pi
- MicnoLinux
- Open.Yellows.os
- Kamuriki Kinux
など。
この他、デビアンから派生したUbuntuにも派生ディストリビューションが多数あります。
デビアンのメリット
デビアンを採用するメリットとしては
- コストを抑えることができる
- 安定性が高い
- 日本語に対応している
- ネット上に情報が豊富
ということがあります。
デビアンは、オープンソースのOSなので、無償で利用できます。
まずコストの面で、有償のものに比べて大きく抑えることができます。
また安定性が高いということもいわれています。
デビアンの公開は、安定版、テスト版、不安定版、実験版という4種類で行われています。
安定板は、厳密に安定性の検証後に公式の公開になります。
日本語に対応しているということもポイントになりますね。
デビアンは、APTによって簡単に日本語環境にすることができます。
また、デビアンプロジェクトの日本版としてDebian JP Projectがあり、デビアンに関する各種情報が日本語で発信されています。
ネット上に情報も多いということでデビアンはよく初心者にもおすすめされています。
デビアンがおすすめの人は?
デビアンの特徴から、デビアンがおすすめな人は以下のような人が考えられます。
- 無償で使えるOSを探している人
- 安定性を重要視してサーバー運用をしたい人
- ソフトウェアの選択肢が多い方がいい人
- 日本語のサポート環境が充実しているほうがいい人
上記の他にサーバー構築の勉強がしたい人にはCentOSと共にDebian(デビアン)がおすすめされます。
今回の記事タイトルでいえば、日本語でも初心者向けの情報が多いということで、初心者におすすめされることもありますが、むしろ一般には上級者向けというイメージが強いようです。
デビアンの名前の由来
デビアン(Debian)という名前がどういう意味なのか気になっている方もいるかもしれませんね。
実はデビアンという名前は、創設者であるイアン・マードックが、ガールフレンドの名前であるDebra Lynnと自分の名前のイアンから付けられたということです。
GNUとは
Debian(デビアン)の正式名称は「Debian GNU/Linux」といいます。
このGNUとは、「GNU is Not Unix」の略語でUnixと上位互換性のあるフリーな総合ソフトウェアシステムの名称とされています。
「GNUはUnixではない」という意味になりますが、
つまり、オープンソースのソフトウェアのみでUnixと同等のOSを開発するというプロジェクトを意味することもあります。※GNUプロジェクト。
デビアン自体は「Debian GNU/Linux」の呼称を積極的に使っているということで、GNUのコンセプトを重視しているといわれています。
創始者・提唱者はリチャード・ストールマン。
読み方は「グヌー」になります。
初心者向けVPSサービス
初心者向けのVPSサービスは、当たり前ですが初心者の方に配慮された記事や解説があってわかりやすいところがいいですね。
●おすすめ初心者向けVPSサービス
●さくらのVPS
VPSの初心者向けのコンテンツがあるVPSサービスとしてはさくらのVPSがあります。
「ネコでもわかる!さくらのVPS講座」はVPSを理解するのにおすすめです。
●カゴヤ・ジャパン
KAGOYA CLOUD VPSもVPSの活用方法を解説した記事が充実しています。
●エックスサーバーVPS / ConoHa VPS
エックスサーバーVPSとConoHa VPSは、用途別に用意されたイメージやテンプレートで初心者の方でも目的のサーバーが構築できるようになっています。
VPSサービス
今回ご紹介した以外のVPSサービスもあるので、気になるものがあったら公式サイトをチェックしてみてくださいね。
・VPSの用途別にセットアップされたサーバーが選べるのでサーバー運用初心者でもわかりやすい
・仮想化技術「KVM」を使用し、仮想サーバ環境の独立を実現
・各仮想サーバに100Mbps共有回線を提供
公式サイトは、VPSについての解説もとてもわかりやすいので、初心者にもおすすめです。
とりあえずVPSについて勉強するのにもちょうどいいので、チェックをおすすめします。
さくらのVPS「WebARENA SuitePRO V4」はNTTPC(株式会社NTTPCコミュニケーションズ) のVPSサービスです。 スペックは最大でCPU仮想8コア、メモリ32GB、ディスク容量4,100GBまで 規模に合わせて簡単にスペックUP可能。
MT4が使えるVPS
●MT4が使えるおすすめVPS
2個目のドメインを取得するならココ お名前.com●シンクラウドデスクトップ for FX
レンタルサーバーの国内最大手のエックスサーバーを運営するエックスサーバー株式会社の運営になるシン・クラウドデスクトップfor FXです。
2023年7月25日リリースのまだ新しいサービスになります。
レンタルサーバーのエックスサーバーがベースになっているので、馴染みやすいという方は多いかもしれません。
こちらもFXの自動売買専用なので、その用途にはおすすめのVPSになります。
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テレワーク利用者満足度NO1 ※日本マーケティングリサーチ機構による調査
FXの自動売買にもおすすめ!
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VPSサービスの関連情報になります。
気になる記事があったら読んでみてくださいね。
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Debian(デビアン)のおすすめポイントは? 初心者向けのLinux(リナックス)系のディストリビューション? まとめ
というわけで今回は「Debian(デビアン)のおすすめポイントは? 初心者向けのLinux(リナックス)系のディストリビューション?」についてお伝えしました。
VPSなどではサーバーOSの候補に必ず挙がってくるデビアンですが、日本語の初心者向けの情報が多いということでサーバー管理の初心者にもおすすめといえるかもしれません。
デビアンは、無償で使えて機能的なメリットも多いのでVPSなどサーバー管理で採用してみるのもいいかもしれませんね。
というわけで今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

