CentOSってサーバーOSの定番っていうけど、サポート終了するってホント?
という方もいるかもしれません。
CentOSと言えば国内でも人気のサーバーOSになりますが、サポートを終了するという話もあって気になっている方もいると思います。
というわけで今回は「VPSの定番OS「CentOS」とは?開発方針を転換でサポート終了?」についてお伝えします。
CentOSって何?という方やCentOSが終了するという話が気になっている方は記事を読んでみてくださいね。
※この記事は約6分で読めます。
●CentOSの特徴
- 無料で利用できる
- RHELとほぼ同等の機能と安定性
- サポート期間が長い
- 事実上のスタンダード(デファクトスタンダード)
- 情報が多い
●CentOSの開発方針の転換とは
CentOS 9以降のリリースはなくなり、今後は「CentOS Stream」として開発が続けられるということになった。
CentOS(CentOS Stream)は従来のRHELの再構築版ではなく、RHELの開発版という位置づけになった
CentOSとは
CentOS(セントオーエス)は、Linuxディストリビューションの一つです。
RHEL(Red Hat Enterprise Linux)のクローンになります。
Linuxとは、オープンソースのOSで、世界で最も普及しているといわれています。
CentOSは、そのLinuxのディストリビューション(配布形態)の一つになります。
Linuxはそれ単体では動かないので、用途、目的などに合わせて必要なプログラムを集めたパッケージとして配布されるんですね。
そのパッケージ(配布形態)がディストリビューションになります。
つまり
CentOSは、Linuxをベースにしてまとめられたプログラムのパッケージの一つ
ということになります。
CentOSは”RHELのクローンOS”と言われます。
RHEL(Red Hat Enterprise Linux)は、最も有名なLinuxの有償のディストリビューションになります。
RHELは、公共機関にも採用されるほど信頼性も高く、多く利用されているのですが、サポート、保守などにかかる費用が高額というデメリットがあります。
RHELのクローンOSといわれるCentOSは、RHELとほぼ同等の機能や安定性をもちながら無償で利用できる(オープンソース)ということで、多くの企業で採用されています。
CentOSのメリット
CentOSのメリットは以下のようなことがあります。
●CentOSのメリット
- 無料で利用できる
- RHELとほぼ同等の機能と安定性
- サポート期間が長い
- 事実上のスタンダード(デファクトスタンダード)
- 情報が多い
大きなメリットはやはり、無料で使えるということになります。
有償のLinuxディストリビューションのRHELとほぼほぼ同等の機能や安定性を持ちながら、無償で使えるというのは大きな優位性になりますね。
実際のところCentOSはデファクトスタンダード(事実上のスタンダード)といわれるほど世界中に普及しています。
また、それだけ普及しているということで、情報が多いというメリットもあります。
トラブルや困ったときなどに情報が見つけられないと本当に厄介ですが、CentOSならその可能性はひくいといえるでしょう。
ただ、次項でお伝えしますが、
CentOSの開発元であるCentOS Projectにより2020年12月8日に、CentOSの開発方針の転換が公式発表されました。
これによりCentOSのメリットの一つであった、10年間のサポート期間については変更(短縮)になっています。
CentOSの開発方針の変更
「事実上のスタンダード」といわれているCentOSですが、2020年12月8日の開発元のCentOS Projectにより
- CentOS8以降の開発方針の転換
- サポート期間の変更
が公式発表されました。
CentOSはもともとRHELをもとに開発がされ、RHELとほぼ同等の機能をもちながら無償で提供されていました。
しかし、方針転換の結果、CentOSの後継である「CentOS Stream」にまず新しい機能などが導入され、その後「CentOS(CentOS Stream)」→「RHEL」という順番で開発が進められる、という流れに変更になったんですね。
CentOS 9以降のリリースはなくなり、今後は「CentOS Stream」として開発が続けられるということになりました。
つまり、CentOS(CentOS Stream)は従来のRHELの再構築版ではなく、RHELの開発版という位置づけになったんですね。
これにより、CentOS(CentOS Stream)は従来の安定性や信頼性は見込めなくなってしまったと言われています。
また、サポート期間についても期間が大幅に短縮され
- CentOS 7 : 2024年6月30日
- CentOS 8 : 2021年12月31日
- CentOS Stream 8 : 2024年5月31日
となっています。
※現在(2023年6月時点)、CentOSの最新版である「CentOS8」は2021年12月31日にサポートを終了しています。
これらの方針転換により、従来版のCentOSのサポート修了後の代替えの問題など、多くの企業に課題を与えることになっています。
CentOSのサポート終了後はどうするか
前述のとおり、CentOS 8はサポート終了しており、CentOS 7についても2024年6月30日にサポートの終了を向かえます。
CentOS 9はリリースされないことになっているので、CentOSの導入企業などは、今後については何らかの対応を考える必要が出てきます。
具体的な対応としては
- そのまま使い続ける
- 別のLinux系OSに移行する
- RHELに乗り換える
などがあります。
そのまま使い続ける
サポート修了後もそのまま使い続けるという対応になります。
一般にサポートが終了したソフトを使い続けるのはセキュリティ的に非常に危険ですが、CentOSについてはソフトウェアベンダーなどの独自の延長サポートがある場合があります。
これらのサポートを利用して、いずれは他のOSへ移行する前提で、とりあえず使い続けるという対応になります。
あくまで一時的な対応ということで、最終的にはやはり代替えOSなどの対応は必要になるかなとは思います。
別のLinux系OSに移行する
別のLinux系OSに移行するという対応です。
そもそもCentOSはRHELのクローンといわれているのでその代用OSにも
- RHELとの互換性
- 安定性
- サポートの期間
などを満たしたいところです。
- Alma Linux
- Rocky Linux
- Oracle Linux
- Fedora
- Rancher OS
などが代替候補といわれています。
またDebian系の
Ubuntu
も今後より利用が広がってくると予想されています。※RHELとは互換性がないので移行には手間がかかるといわれています。
RHELに乗り換える
互換性やサポートの問題を考えると、大元のRHELに乗り換えるという対応も考えられます。
CentOSのメリットの一つに10年間のサポートがありましたが、RHELも10年間のサポートが受けられます。
ただ、有償ディストリビューションということで高額な費用がかかるので、無償のCentOSからの乗り換えにはハードルがあります。
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記事でお伝えした「CentOS Stream」も標準OSで使えるように追加されていますね。
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VPSの定番OS「CentOS」とは?開発方針を転換でサポート終了? まとめ
というわけで今回は「VPSの定番OS「CentOS」とは?開発方針を転換でサポート終了?」についてお伝えしました。
無料のLinuxディストリビューションとして人気のCentOSですが、近年の方針転換によっていろいろと事情が変わってきているといえます。
本格運用を続けるなら長期的な視点でサーバーOSも考える必要がありそうです。
初めてのVPSでもおすすめされるCentOSですが、長い目で考えると他のOSも選択肢になりそうですね。
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というわけで今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。