レイテンシーってなに?
という方もいるかもしれません。
今回は「レイテンシーとは 遅延の改善方法を解説」についてお伝えします。
レイテンシーの基本や原因、具体的な改善方法をやわらかくわかりやすく解説しているので、レイテンシーに関心がある方は記事を読んでみてくださいね。
レイテンシーとは、遅延の原因と改善方法
レイテンシーとは、ある操作の要求から応答を受け取るまでにかかる時間のことです。
一般にネットワーク遅延を指すことが多いですが、処理遅延や描画遅延も広義のレイテンシーに含まれます。
帯域幅:単位時間あたりのデータ量
ジッター:遅延時間の変動を指す
レイテンシーの原因
レイテンシーの原因は多岐にわたります。
- ネットワークの物理距離
- ルーターやスイッチの処理
- パケット再送
- 混雑によるキューイング
- DNS遅延
などの通信経路要因が代表例です。
サーバー側の処理時間やデータベースの遅さ、クライアント側のレンダリングやスクリプト実行の影響なども無視できません。
測定方法
レイテンシーを正確に把握するには複数の測定が必要です。
pingやtracerouteで基本的な往復時間と経路を確認し、ブラウザなら開発者ツールのネットワークタブで個別リクエストの遅延を確認します。
※Ping:レイテンシーをミリ秒(ms)で表したもの。
※traceroute(トレースルート):データが経由するネットワーク機器の情報を調べるツール。
アプリケーションではAPM(Application Performance Management)ツールを使ってトランザクションごとの遅延を可視化すると原因特定が早まります。
改善方法
まずはボトルネックの特定から始めます。
ボトルネック:性能の低い機器、回線、あるいは混雑している箇所のこと。
- ネットワーク経路が原因の場合 : CDNの導入やルーティング最適化
- サーバー処理が原因の場合 : クエリ最適化やキャッシュ化
などが検討されます。
クライアント側の遅延であればリソースの遅延読み込みや軽量化を優先すると効果が出やすいです。
注意点
改善は一度に全部行うのではなく、効果測定しながら段階的に進めることが重要です。
例えばキャッシュ導入で劇的に改善する場合もありますが、誤ったキャッシュ設定は古いデータ配信を招くので注意が必要です。
また改善の順序はシステム構成や利用状況によって変わるため、必ず計測と検証を繰り返すことが大事です。
測定で正確にボトルネックを見つける方法
レイテンシーの原因を絞り込む具体的手順を示します。
複数のツールと測定ポイントを使い分けることで、どの層の問題かを特定できます。
測定結果の見方と、誤認しやすいケースの注意点も解説します。
ツール一覧
測定に使う代表的なツールを紹介します。
どのツールがどの観点の測定に有効かを示すことで、目的に合った選択ができます。
- ping: 基本的な往復遅延を確認できます
- traceroute: 経路上の遅延箇所を特定できます
- ブラウザ開発者ツール: 個別リソースの読み込み時間が見えます
- APMツール: アプリケーション内部の処理時間を可視化します
測定手順
まずは代表的なユーザー環境からの測定を複数回行います。
ローカル環境、クラウドの異なるリージョン、モバイル回線など異なる条件で測ることで偏りを減らせます。
測定はピーク時間帯と閑散時間帯の両方で実施し、ジッターや再送の頻度も併せて確認します。
結果の整理
測定結果は時系列で整理し、平均値だけでなく中央値やパーセンタイルも確認します。
平均値は外れ値に影響されやすいので、95パーセンタイルなどを見てサービス品質を評価するのが実務的です。
以下の表は測定項目と確認ポイントの例です。
項目 | 目的 | 確認ポイント |
---|---|---|
ping | 往復時間確認 | 平均/最大/パケットロス |
traceroute | 経路の遅延箇所特定 | 各ホップの遷移時間 |
ブラウザツール | 個別リソースの遅延確認 | DNS/接続/応答/読み込み時間 |
ネットワーク層でできる改善策
ネットワーク側での改善は効果が見えやすく、初期投資で大きな恩恵を得られることがあります。
代表的な対策とそのメリット・デメリットも解説します。
CDN導入
CDNはコンテンツをユーザーに近い場所で配信する仕組みです。
静的ファイルや画像、JS/CSSなどを分散配信することでネットワーク上の往復時間を短縮できます。
導入時はキャッシュ設定やオリジンサーバーへの負荷分散を検討し、TTLの設計を適切に行う必要があります。
ルーティング最適化
ルーティングの改善で経路遅延を下げられる場合があります。
- BGPの設定
- ピアリング改善
- 専用線の利用
などが手段として挙げられます。
ただし大規模なネットワーク改変はリスクを伴うため、影響範囲の検証と段階的な導入が重要です。
ネットワーク設定比較
主要な改善策と期待できる効果を比較した一覧です。
導入コストや適用範囲を踏まえて優先順位を付ける参考にしてくださいね。
対策 | 効果 | 留意点 |
---|---|---|
CDN | 往復時間短縮、負荷分散 | キャッシュ設計が重要 |
ピアリング改善 | 経路短縮と安定化 | キャリア間交渉のコスト |
専用線 | 高品質低遅延 | 費用負担が大きい |
サーバー・アプリケーション側の改善ポイント
サーバー内部の処理を見直すことで、ユーザーから見た応答時間を大幅に改善できます。
効率的なキャッシュ戦略やデータベース最適化、非同期処理の活用など実践的な手法を解説します。
また監視と自動スケーリングの組み合わせで安定性を保つ方法も説明します。
キャッシュ戦略
キャッシュはレイテンシー改善の王道です。
- ブラウザキャッシュ
- CDNキャッシュ
- サーバーサイドキャッシュ
の三層で考えると効果的です。
ただしキャッシュの適用範囲や有効期限を誤るとデータの鮮度が失われるため、更新戦略を明確にして設定してください。
DB最適化
データベースのクエリ改善は応答時間に直結します。
- インデックスの見直し
- 不要な結合の排除
- クエリキャッシュやレプリケーションを使った読み取り分散
などが有効です。
特に頻繁に参照されるデータはキャッシュに置くことで大きな改善が期待できます。
実装改善例
実際に行うべきサーバー側改善の一覧です。
優先順位と想定効果を整理して計画的に対応することが推奨されます。
改善 | 期待効果 | 備考 |
---|---|---|
クエリ最適化 | 応答時間短縮 | SQLの見直しが必要 |
キャッシュ導入 | リクエスト負荷低減 | 整合性設計に注意 |
非同期処理化 | レスポンス改善 | ジョブ管理が必須 |
クライアント側でできる工夫
クライアント側の最適化はユーザー体感を直接改善するため重要です。
リソースの軽量化、遅延読み込み、描画最適化などブラウザやアプリでできる対策を紹介します。
フロントエンドの改善は比較的低コストで効果が出ることが多いので優先度を高く検討しましょう。
リソースの軽量化
不要なライブラリや大きな画像を削減することから始めます。
コードの圧縮や画像の適切なフォーマット選択でダウンロード時間を短縮できます。
モバイル向けにはさらに細かな最適化が必要で、遅延に敏感なユーザー体験を優先して設計します。
遅延読み込み
重要度の低いリソースは遅延読み込みすることで初期表示を高速化できます。
画像のlazy loadingや非同期スクリプト読み込みを活用すると効果的です。
ユーザーが実際に必要とするタイミングで読み込むことで無駄な通信を減らせます。
比較表
クライアント最適化の手法と効果を比較した表です。
導入工数と期待効果を見て優先順位を決める際の参考にしてくださいね。
手法 | 効果 | 導入難易度 |
---|---|---|
画像圧縮 | 読み込み時間短縮 | 低 |
遅延読み込み | 初期表示高速化 | 中 |
コード分割 | 不要コードの遅延読み込み | 中 |
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レイテンシーとは 遅延の改善方法を解説 まとめ
というわけで今回は「レイテンシーとは 遅延の改善方法を解説」についてお伝えしました。
測定でボトルネックを特定し、ネットワーク→サーバー→クライアントの順で対処するのが一般的な優先度です。
改善は段階的に行い、必ず効果測定を行ってから次に進むことを心がけましょう。
実務で覚えておくべきチェックポイント
- まず代表ユーザー環境で複数回測定する
- 平均値だけでなくパーセンタイルも確認する
- 小さな改善を積み重ねて効果測定を行う
というわけで、今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。