レンタルサーバーはサーバー速度を高速化するために様々な高速化技術を採用しています。
サーバーを高速化する技術はいろいろありますが、中にはよくわからない技術もありますよね。
というわけで今回は「レンタルサーバーの様々な高速化技術を解説」についてお伝えします。
サーバーの高速化技術について知りたい方は記事を読んでみてくださいね。
※この記事は約6分で読めます。
レンタルサーバーでは複数の高速化技術が使われている
レンタルサーバーで採用されているサーバーの高速化技術は、単独で作用しているのではなく複数で効果を出しています。
様々な高速化技術の総合的な効果の結果、サーバーの高速化を実現しているということになります。
レンタルサーバー高速化技術一覧
以下はレンタルサーバーで採用されている主な高速化の技術になります。
Webサーバー(LiteSpeed)
Webサーバーは物理サーバーのことを指す場合もありますが、この記事ではサーバーをWebサーバーとして機能させるソフトウェアのことになります。
Webサーバーソフトウェアといわれることもあります。
主なWebサーバーには
- Apache
- NginX
- LiteSpeed
があります。
上記の中ではLiteSpeedが最も新しく次世代Webサーバーソフトともいわれています。
処理速度もそれまでのWebサーバーよりも速くなっていて、
NginXの14倍
Apacheの84倍
ともいわれています。
つまり、WebサーバーにLiteSpeedを採用しているということ自体がサーバーの高速化を計っていることになります。
Webサーバー(Apache+NginX)
レンタルサーバーの中には、ApacheとNginXを組み合わせて採用しているところもあります。
NginXはApacheよりも新しいWebサーバーになります。
ApacheとNginXを組み合わせる理由としては、NginXがリバースプロキシとしても利用できることが挙げられます。
リバースプロキシは、外部インターネットからのリクエストを中継する仕組みになります。
この場合、インターネットからのリクエストはNginXを中継することになります。
一般的にApacheとNginX組み合わせることで以下のようなメリットがあるとされています。
- Webサイトへの同時接続の最大数を増やす
- サーバーのリソース使用量を低減できる
厳密には直接的に高速化技術というわけではなさそうですが、エックスサーバーやConoHa WING(コノハウィング)など高速サーバーとされているレンタルサーバーはこの構成を採用しています。
※NginXはApacheとの互換性がなく、そのため「.htaccess」が使用できないなどもこの組み合わせの理由になります。
最新プロトコルHTTP/2、HTTP/3対応
HTTP/2とHTTP/3はどちらも
Webページのデータをやり取りするときの通信の規格
になります。
HTTP/2とHTTP/3はそれぞれ2015年、2021年に登場した規格です。
これらに対応しているレンタルサーバーは、対応していないレンタルサーバーに比べてWebページの表示速度が速くなる可能性があります。
LSAPI
LSAPIは「エルサピ」と読みます。
「LiteSpeed Server API」の略になります。
LSAPIは、PHPの実行環境(動作モード)の一つになります。
※PHP:プログラム言語の一つ。WordPressのPHPで作られている。
PHPの実行環境は主に
- CGI
- FastCGI
- モジュール版
- LSAPI
があります。
実行環境とは、PHPを実行するための環境のことでそれぞれの実行環境(動作環境)でPHPの処理速度に違いがあります。
FastCGIとモジュール版はCGIよりも速いとされていて、LSAPIはFastCGIよりも高速とされています。
※LSAPIには、LiteSpeedという言葉が入っていますがLiteSpeed専用の実行環境というわけではありません。ConoHaWINGではApache+NginXにLSAPIが採用されています。
LiteSpeed Cache
「LiteSpeed Cache」はWebサーバーにLiteSpeedを採用しているサーバーで利用できるキャッシュ機能(WordPressプラグイン)になります。
WordPressプラグインを有効にすることで、WordPressで作成されたWebサイトの表示速度を高速化できます。
LiteSpeedを採用しているレンタルサーバーであるMixhostやロリポップ!などで推奨の設定も公開されています。
PHP高速化設定
PHP高速化設定を行うことで、Webサイトの高速化・安定化が可能になります。
エックスサーバーの場合、「FastCGI」とPHPプログラム向けのキャッシュ機能の「OP cache」「APC」によって
- CPU負荷の軽減
- PHPサーバープログラムの高速化
が可能です。
SSD
SSDは記憶装置(ストレージ)の種類になります。
ストレージにはSSDとHDDがあり、SSDはHDDと違って物理的に稼働する部分がないので、HDDよりも高速化することができます。
現在ではSSDを採用しているレンタルサーバーが主流ですが、HDDを選択できるところもあります。
NVMe SSD
NVMeはSSDに搭載されることで、SSDのパフォーマンスを最大限に生かすことができます。
データ転送速度は従来の倍以上といわれています。
●NVMe SSDを採用しているレンタルサーバー
- エックスサーバー
- シンレンタルサーバー
- コアサーバー ※V2プラン
Xアクセラレータ
Xアクセラレータは、Xserver(エックスサーバー)で利用できるWebサイトの高速化・安定化機能になります。
機能としては、静的ファイルの高速化とPHPプログラムの高速化ということになります。
静的ファイルの高速化:静的ファイルをキャッシュすることでサイトの高速化と同時アクセス数を拡張。
PHPプログラムの高速化:PHPプログラムの処理速度を最大20倍まで向上させる。
キャッシュなしでPHP最大20倍(WordPress最大10倍)
ということでサイトの表示速度の高速化だけでなく、大量アクセスでも安定したサイト表示を可能にします。
XPageSpeed
XPageSpeedはエックスサーバーで開発されたWebサイト最適化機能になります。
具体的には
- データ転送量の削減 :ファイルサイズを自動で圧縮
- 無駄な通信の削減 :同種のファイルをまとめる
ができるということで、Webページの表示速度の高速化とともにSEOにも効果的とされています。
こちらもエックスサーバーで利用できる機能になります。
KUSANAGI
KUSANAGIは、CMS(ワードプレス)高速化の調整などが最適化された状態の仮想マシンイメージになります。
つまり、KUSANAGIを実装することで
超高速CMS実行環境を実現できる
KUSANAGIを実装しているレンタルサーバー
AMD EPYC
「EPYC」は、AMD社が開発しているCPUになります。
EPYCの採用によって、高速で安定的なサーバー運用が可能になるとされています。
2024年8月1日時点では第4世代「EPIC」がリリースされており、エックスサーバーでも採用されています。※2022年11月に第3世代から第4世代に切り替え。
エックスサーバーではこれにより処理性能が従来に比べて約2.2倍になったとしています。
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気になる記事は参考にしてみてくださいね。
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レンタルサーバーの様々な高速化技術を解説 まとめ
というわけで今回は「レンタルサーバーの様々な高速化技術を解説」についてお伝えしました。
Webページの速度(表示速度)はSEO的にもとても重要になります。
なので、レンタルサーバー各社もサーバー速度を高速化するために様々な高速化技術を取り入れています。
公式サイトなどで聞きなれない高速化技術が出てきたときは記事を参考にしてみてくださいね。
というわけで今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。