レンタルサーバーの特徴として
HTTP/2・HTTP/3に対応!
という記載を見たことがあるかもしれません。
「なるほどHTTP/3に対応ね、ふーん」
などと思いつつ何のことやら?
という方もいるかもしれません。
というわけで今回は「HTTP/2・HTTP/3に対応ってどういうこと? 何がいいの?」についてお伝えします。
HTTP/2・HTTP/3に対応ってどういうこと?という方やHTTP?それおいしいの?という方は記事を読んでみてくださいね。
※この記事は約6分で読めます。
●HTTP/2・HTTP/3対応のメリット
対応していないレンタルサーバーに比べてWebページでの表示速度で優位になる可能性がある。
※サーバーによってはHTTP/2のみに対応しているという場合もあります。
そもそもHTTPってなに?
HTTP(HyperText Transfer Protocol)とは
ハイパーテキスト・トランスファー・プロトコル
の略になります。
ハイパーテキストとは、ハイパーなテキスト、つまりテキストを超えたテキストという意味で、単純なテキストデータではなく機能を持ったテキストといった意味になります。
いわゆるHTML(※)などで書かれたWebページのデータという理解でいいと思います。
※:HTMLはWebページを作成するときに使う言語の一つ。
トランスファー:運ぶ
プロトコル:規格
という意味なので、HTTPは
Webページのデータを運ぶ際の規格
という意味になります。
つまりHTTPとは
Webページのデータをやり取りするときの通信の規格(約束事)
ということになります。
具体的には、Webブラウザとサーバーとの間のデータのやり取りの仕方を決めたルール・規格のことになります。
ちなみに、暗号化されたHTTPの規格のことを「HTTPS」といいます。
サイトのURLをみると
「http://~」:暗号化されていない
「https://~」:暗号化されている
と、暗号化されているかどうかがわかります。
HTTPは1991年に登場して以来、Webブラウザの機能に対応してアップデートを繰り返してきましたが、従来仕様の延長では対応が難しくなってきたんですね。
2015年、新しい通信の規格(プロトコル)としてHTTP/2が登場しました。
HTTP/2により通信が効率化
HTTP/2の前バージョンであるHTTP/1.1は1999年に公開されました。
HTTP/2はその16年後の2015年に公開されています。
HTTP/2の導入により通信が効率化され、複数のリクエストの同時処理などが可能になりました。
HTTP/2の特徴
- ストリームの多重化により複数のリクエストを同時に処理することができる
- HTTPリクエストがなくてもHTTPレスポンスを送信することができる「サーバープッシュ」をいう機能がある(待ち時間の短縮)
- ヘッダーの圧縮や転送コンテンツの優先度設定などの機能
ブラウザとサーバー間の仮想的な接続。一つのHTTP/2接続で複数のストリームを確立できる。リクエストやレスポンスのやり取りは独立したストリーム内で行われるため、複数のリクエスト・レスポンスのやり取りを同時並列で処理が可能になった。
HTTP/2導入によるメリット
- Webブラウザとサーバー間の通信の効率化によるデータ伝送の高速化
- 効率的なリクエストの処理が可能になることによる表示速度の短縮
ということでHTTP/2の導入によるメリットは、通信速度の表示速度の高速化ということになります。
HTTP/3はQUICを使った次世代プロトコル
HTTP/3は、2021年5月に承認されたQUICを使った次世代通信プロトコルになります。
QUICとは、UDP(※)上で動作するトランスポート層プロトコルになります。UDPで高速化しつつTCPのような信頼性を提供するトランスポート層プロトコルとも説明されます。
HTTP/2ではTCP(※)を使いますがHTTP/3ではUDPを使った通信を行うということになります。
HTTP/3では、リクエストの多重化と暗号化をQUICが行い、ハンドシェイク(※)はTLS(※)で行うという構造になります。
TCPとTLSを使っていた従来のWeb通信を、QUICはUDPを利用してTCPと同等の再送処理を組み込み、さらにTLSを取り入れ暗号化も行います。
UDP:User Datagram Protocol。通信プロトコルの一つ。データ送信に相手との接続確立を行わない「コネクションレス型」を採用している。到達確認、再送処理などを行わない。
TCP:Transmission Control Protoco。「コネクション型」の通信プロトコル。1対1のセッションによる信頼性の高い通信を行うためのプロトコル。
TLS:データを暗号化して送受信する仕組みのこと。
ハンドシェイク:接続を確立して通信を始める前に、利用する通信方式や各種の設定値(データの送受信速度、誤り訂正方式、暗号化の設定など)などをお互いに交換すること。
ちょっと専門用語ばかりでわかりづらくなってしまいましたが、
HTTP/3とは、HTTP/2よりWebページの表示速度をさらに高速化するための通信プロトコルの新しいバージョン
ということになります。
HTTP/2・HTTP/3対応のメリット
HTTP/2・HTTP/3に対応、次世代通信プロトコル(QUIC)に対応することで、Webページの表示速度とセキュリティ向上の効果が期待できるということになります。
レンタルサーバーの公式サイトなどで
HTTP/2・HTTP/3に対応
などの記載があれば、対応していないレンタルサーバーに比べてWebページでの表示速度で優位になる可能性があります。
サーバーによってはHTTP/2のみに対応しているということもあります。
HTTP/2・HTTP/3に対する各レンタルサーバーの対応状況
各レンタルサーバーのHTTP/2・HTTP/3に対する対応状況は以下のようになっています。※2024年2月9日時点。
HTTP/2 | HTTP/3 | 公式サイト | |
---|---|---|---|
エックスサーバー | 〇 | x | エックスサーバー |
ConoHaWING | 〇 | x | ConoHa WING(コノハウィング) |
ロリポップ! | 〇 | x | ロリポップ! |
mixhost | 〇 | 〇 | mixhost |
カラフルボックス | 〇 | 〇 | カラフルボックス |
コアサーバー | 〇 | 〇 | コアサーバー |
ABLENET | 〇 | 〇 | 【ABLENETレンタルサーバー】 |
さくらのレンタルサーバ | 〇 | x | さくらのレンタルサーバ |
KAGOYA | 〇 | x | カゴヤのレンタルサーバー |
お名前ドットコムレンタルサーバー | 〇 | x | お名前.comレンタルサーバー |
サーバー側が対応しているだけでなくブラウザ側も対応している必要があります。
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HTTP/2・HTTP/3に対応ってどういうこと? 何がいいの? まとめ
というわけで今回は「HTTP/2・HTTP/3に対応ってどういうこと? 何がいいの?」についてお伝えしました。
HTTP/2・HTTP/3はWebページのデータをやり取りするときの通信の規格(約束事)のバージョンになります。
HTTP/2・HTTP/3に対応することで、Webサイトの表示速度の高速化やセキュリティ性の向上などの効果があります。
今回は専門用語が多かったので少しわかりづらかったかもしれませんが、対応しているサーバーは速度やセキュリティ性について対応していないサーバーに比べて、一定の優位性があるといえますね。
HTTP/3に対応しているサーバーはまだそれほど多くない印象ですが、今後はさらに普及していくことと思います。
HTTP/3に対応しているレンタルサーバー
というわけで今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。