VPSを使わずにFX自動売買をしたい
という方もいるかも知れません。
FX自動売買ではVPSを利用するのが一般的ですが、VPSを使わなくてもFX自動売買は可能です。
今回は「FX自動売買をVPSなしで始める方法|手軽に運用するコツ」についてお伝えします。
これからFX自動売買を始める方やVPS導入を迷っている方は記事を読んでみてくださいね。
FX自動売買をVPSなしで運用する際の疑問
自宅や手元のパソコンでFX自動売買をVPSなしで動かすときの基本的な疑問に答えます。
VPSなしでの運用はコストを抑えられる一方、回線や電源の問題で稼働停止リスクが高まります。
ここではメリットとデメリット、必要な準備、稼働安定性の確保方法、そして実際の判断基準について順を追って説明します。
VPSなしでFX自動売買のメリット
VPSなしでFX自動売買を行う最大の利点は費用面です。
VPSの月額料金を節約できるため、初期投資を抑えたい個人トレーダーに向いています。
設定や操作の自由度が高く、手元の環境で直接ログを確認したり細かいカスタマイズを行いやすい点も利点です。
以下に主なメリットになります。
- ランニングコストが発生しないため総コストが低い。
- 自分の環境で直接監視やデバッグができる。
- 初期設定が簡単で試しやすい。
- トラブル発生時にすぐに介入できる。
VPSなしでFX自動売買のデメリット
VPSなし運用のリスクの比較表です。
下の表はVPSあり運用とVPSなし運用の代表的な違いを分かりやすくまとめたものです。
| 項目 | VPSあり | VPSなし |
|---|---|---|
| 稼働安定性 | 高い(24時間稼働) | 低い(停電や回線切断で停止) |
| コスト | 月額料金あり | 基本無料(電気・回線は自己負担) |
| 設定の自由度 | 制限あり(ホスティング環境) | 高い(ローカル環境で自由) |
| セキュリティ | サービス依存で高めやすい | 自己責任で対策が必要 |
必要な準備を丁寧に解説
VPSなしでFX自動売買を行う前に整えておくべき環境と設定を詳しく説明します。
まずは安定したインターネット回線と、長時間稼働できるPCやノートパソコンを用意してください。
次に自動売買ソフトの設定やデモでの動作確認、ログの出力先の確保とバックアップの手順を決めておくことが重要です。
セキュリティ対策としてOSや取引ソフトの更新、ウイルス対策、不要なポートの閉鎖など基本的な対策を行うことも非常に重要です。
- 安定回線(有線推奨)と常時稼働可能なPCを用意する。
- 取引ソフトの動作確認をデモで事前に行う。
- ログ出力と定期的なバックアップの設定を行う。
- OSやソフトの自動更新、ウイルス対策を設定する。
稼働安定性の確保方法を比較
VPSなしの環境で安定稼働させるための具体策を表で比較し、優先順位を提示します。
停電対策や回線障害への備え、そして監視体制の構築がポイントです。
以下の表は対策ごとの費用感と効果を整理したものです。
| 対策 | 効果 | 費用感 |
|---|---|---|
| 無停電電源装置(UPS) | 短時間の停電でシャットダウン回避 | 中 |
| モバイルルーターの準備 | 回線障害時の代替通信 | 低〜中 |
| 遠隔監視サービス | 稼働状況の即時通知 | 低 |
| 定期的な再起動スケジュール | メモリリークなどの予防 | 低 |
判断基準を明確にする
VPSを使うか否かの最終判断は運用目的やリスク許容度で決まります。
短期的に試したい、コストを抑えたいという方はVPSなしで始めるのが合理的です。
一方、資金規模が大きく24時間稼働させたい場合や安定収益を重視する方はVPSを検討した方が安全性は高まります。
選択のポイントとして、想定する最大損失、稼働時間の重要度、監視体制の有無を検討してください。
- 小規模テスト運用ならVPSなしでも可。
- 大きな資金や常時稼働を期待するならVPS推奨。
- 監視や復旧の準備ができるかが鍵。
- まずはデモや少額で試し、段階的に拡張する。
実際の設定手順
ここからはVPSなしでFX自動売買を動かすための具体的な準備と設定手順を順を追って説明します。
実際の作業は操作を間違えると時間がかかるため、手順をしっかり確認してから実行してください。
準備するもの
まずは必要なハードとソフトを一覧にしてそろえましょう。
安定した回線、有線LANの環境、連続稼働できるPC、取引用の口座と自動売買ソフトが必要です。
また、取引口座のAPIやログイン情報を安全に管理するための暗号化ツールやパスワード管理アプリを用意しておくと便利です。
- 有線接続可能なインターネット環境。
- 長時間稼働に耐えるPCまたは小型PC。
- 取引口座と自動売買ソフト(MT4/MT5等)。
- バックアップ用外付けドライブやクラウドストレージ。
- パスワード管理ツールとウイルス対策ソフト。
ソフトの設定例を表で示す
ここでは代表的な自動売買ソフトでの基本設定項目と推奨値を表にまとめます。
設定はソフトやEA(エキスパートアドバイザー)によって異なるため、必ずマニュアルも参照して調整してください。
| 項目 | 推奨設定 | 説明 |
|---|---|---|
| スリッページ許容 | 1〜3 pips | 約定価格差の許容範囲を設定 |
| 最大ポジション数 | 1〜5 | 同時保有ポジションの上限 |
| 取引時間帯 | 相場の流動性に応じて設定 | 夜間や週末は注意が必要 |
| ログ出力 | 詳細ログを有効 | トラブル時の原因特定に必要 |
運用開始後のチェックポイント
運用を開始したら最初の数日は特に細かく監視してください。
ログの確認、約定状況や損益の推移、エラー発生の有無を日次でチェックする習慣をつけると安心です。
自宅運用なら通知設定を整え、重要な異常発生時にはすぐに対応できる体制を作っておきましょう。
- 初日はエラーや異常終了がないか頻繁に確認する。
- 週単位でログを整理し傾向を分析する。
- 自動通知(メールやLINE等)を設定する。
- 問題が出たらすぐに手動停止できる手順を用意する。
リスク管理とトラブル対策
VPSなし運用で最も重要なのはリスク管理です。
ここでは損失限定の方法、通信や電源の障害対策、データのバックアップについて解説します。
損失管理の基本
自動売買では損切りルールと資金管理が最優先です。
最大ドローダウンの想定、ロットサイズの管理、そして口座全体の許容損失を明確にしておくことが必要です。
また、急な相場変動や指標発表時には一時停止するルールを設けておくと予期せぬ大損を防げます。
- 1トレードのリスクは口座の1〜2%に抑える。
- 最大ドローダウンを想定し撤退ラインを決める。
- 指標発表時はEAを停止する運用ルールを作る。
- 定期的にバックテスト結果と実績を比較する。
通信・電源対策を表で比較
回線切断や停電に備える方法は複数あります。
下の表ではそれぞれの対策の特徴と導入の優先度を示しています。
| 対策 | メリット | 導入優先度 |
|---|---|---|
| UPS導入 | 短時間の停電を回避できる | 高 |
| 冗長回線(モバイルルーター) | 回線断時に即時フェイルオーバー可能 | 中 |
| 定期自動再起動 | メモリやプロセス不具合を予防 | 中 |
| 遠隔シャットダウン手順 | トラブル発生時に遠隔操作で停止可能 | 低 |
データと設定のバックアップ方法
設定ファイルやログは定期的にバックアップを取りましょう。
自動バックアップをクラウドに保存する、もしくは外付けドライブに日次で保存する仕組みを作ると復旧が速くなります。
EAの設定や重要なパラメータはテキストで別ファイルに保存しておくとトラブル時の復元が容易です。
- 設定ファイルはクラウドとローカルの二重保存。
- ログは圧縮して一定期間保持する。
- 重要パラメータはテキストでバックアップ。
- 定期的に復元テストを行って確実性を確認する。
他の選択肢と比較して最適な方法を考えます
VPSなし以外の選択肢も比較して、自分に合った運用スタイルを見つける手助けをします。
ここではVPS利用の利点、クラウドサービスの活用法、スマホ主体の運用について解説します。
VPSの利点を比較表で示す
VPSを導入すると得られる主なメリットを分かりやすく表にしました。
安定稼働やスケーラビリティ、プロバイダのサポートなどが利点ですが、コストは発生します。
| 利点 | 説明 |
|---|---|
| 高い稼働率 | 24時間稼働に適した環境で安定性が高い |
| 運用負担の軽減 | 電源や回線管理をサービス側に任せられる |
| セキュリティ管理 | プロバイダの対策で自己管理負担が減る |
| スケールの容易さ | 必要に応じてスペックを上げやすい |
クラウドの活用方法
クラウドサービスを使えばVPSと同様の安定性を得られる場合があります。
クラウドは柔軟なリソース管理や自動バックアップ機能を持つことが多く、必要なときだけコストをかける運用が可能です。
ただし、設定や請求体系がやや複雑なので初期学習が必要です。
- 必要なときだけスペックを上げられるためコスト効率が良い。
- 自動バックアップやスナップショットで復旧が容易。
- 設定にはある程度のIT知識が必要。
- 長期運用を考えるとコスト比較が重要。
スマホ主体の運用は現実的か
スマホでの監視や手動決済は可能ですが、自動売買の完全運用は難しい面があります。
バッテリーや通信の不安定さ、アプリ制限などがあるため、監視補助として使うのが現実的です。
長時間の連続稼働を期待する場合はPCやVPS、クラウドの併用を検討しましょう。
- スマホは補助監視や通知受信用に最適。
- 長期連続稼働や高頻度トレードには不向き。
- アプリやOSの自動更新が勝手に入るリスクに注意。
- 外出先での対応はスマホが便利。
FXの自動売買もおすすめVPS
FXの自動売買専用VPSを2つご紹介します。
「専用」とあるように、FXの自動売買に特化したVPSになります。
お名前ドットコムデスクトップクラウド
お名前.com デスクトップクラウドはFX自動売買専用VPSになります。
FX自動売買専用VPSということもあって、多くのFXトレーダーが推薦しています。
●お名前ドットコムデスクトップクラウドの特徴
- コスパがいい
- サーバーが高性能
- サポートが充実
- 返金保証がある
- MT4/MT5に対応している
興味がある方は公式サイトをチェックしてみてくださいね。
シンクラウドデスクトップ
シンクラウドデスクトップ for FXは、2023年7月にスタートしたまだ新しいVPSサービスになります。
お名前ドットコムデスクトップクラウドと同様に「FX自動売買専用VPS」を謳っています。
●シンクラウドデスクトップ for FXの特徴
- FX自動売買に特化したVPSサービス
- Xserver VPSがベースになっている
- ハイスペックな性能
レンタルサーバー最大手の「エックスサーバー」と同じ運営会社なのでその信頼性は高いといえます。
気になった方は公式サイトをチェックしてみてくださいね。
ウィンサーバー
ウィンサーバーの特徴としては以下があります。
- マイクロソフトのホスティングパートナー
- サポートが充実している
- コスパがいい
- セキュリティ環境も充実
やはり、マイクロソフトのホスティングパートナーということで、信頼性はかなり高いといえます。
初心者の方におすすめできるポイントとしては
- サポートが充実している
- WordPressの簡単インストール
というところはあるんですが、まるっきりの初心者だと正直ちょっとしたハードルはあるかな、といった印象もあります。
気になるところとして
- 初期費用がかかる
- ドメインは別途費用がかかる
というところはあります。
ただ、サポートが丁寧で電話サポートもあるということなので、直接いろいろ聞きながら作業したいという方にはおすすめかもしれませんね。
逆に、ある程度の知識や経験などがある方でVPSを利用したい、という方や法人での利用にはWinserver(ウィンサーバー)は向いているかもしれません。
定番! EA販売サイト
FX自動売買にはEA(自動売買プログラム)が必要です。
以下は、EAが入手できるサイトになります。
●ゴゴジャン
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FX自動売買をVPSなしで始める方法|手軽に運用するコツ まとめ
というわけで今回は「FX自動売買をVPSなしで始める方法|手軽に運用するコツ」についてお伝えしました。
まずは小さく始めて検証を重ね、運用ルールとバックアップ体制を整えることが重要です。
VPSなしで自動売買を始める場合はコストの安さと手軽さが魅力ですが、安定性やセキュリティは自己管理が必要です。
まずはデモや少額での試運転を行い、ログや取引結果を確認しながら設定を固めていくことが重要になります。
特に、停電や回線断の対策、ログと設定のバックアップ、監視通知の設定は必須といえます。
必要に応じてVPSやクラウドの導入も検討し、自分の運用スタイルとリスク許容度に合わせて選択するのが現実的といえます。
●FX自動売買におすすめのVPSサービス
というわけで、今回は以上になります。
最後までお読みいただきありがとうございました。

